広告のターゲットの変化とDSP

DSPは、もともと海外で発祥したインターネットディスプレイ広告のプラットフォームの概念です。日本では2010年頃より国産のDSPを独自開発してサービス提供する事業者が普及し始め、現在では数十社に及ぶ事業者が取り組んでいる比較的新しいインターネット広告取引の手法です。

そもそもDSPとは略語であり、正式名称はDemand Side Platform(デマンドサイドプラットフォーム)と呼ばれています。

日本語訳すると「需要者側のプラットフォーム」となり、ここで指す主な需要者とは「広告主」のことです。※広告会社も需要者側に含まれます。

日本では、テレビや新聞など広告メディアを追いかける形で、インターネットユーザーの普及と共にWebサイトが広告メディアとしての価値が高まってきました。そしてWebサイトにバナー広告等を掲載するインターネット広告の販売が1996年頃から普及してきました。

当初は旧来のマス広告と同様に「メディア内の広告枠を売買する」という概念が一般的でした。新聞の記事の横に広告を出す、女性がターゲットの商材であれば女性雑誌の一面に広告を出す、という考え方を踏襲し、広告主はプロモーション対象商材のターゲットを考慮してWebメディアの出稿先を選定してきたのです。広告会社も然り、広告主のターゲットに合うメディアを選定して提案するのが常でした。

もちろん女性誌であれば女性の購入者が多くを占めると推測されますが、中には女性誌を購読している男性の方もいるでしょう。Webサイトも同様、料理サイトや女性ブロガーの記事を見ているユーザーが必ずしも女性とは限りせん。

しかし、広告メディアの選定は「ターゲットがそのメディアに占める割合」を基に行われてきました。インターネット広告も、1996年に普及してから10~15年は、Webサイトにターゲットが占める割合の高いサイトの広告枠を選定する手法が主流でした。

ところが、インターネットはTVや新聞とは異なり、ネット上の行動履歴やネットサービスへの登録情報を基にユーザーの属性を特定し、プロモーションしたい商材のターゲットに近しいか否かを、より正確に把握することができるのです。

そこで新たに生まれたのが、「広告メディアではなく、欲しいターゲットに広告を出す」という広告メディアからよりターゲット(人)へフォーカスして広告を出し分ける考え方です。

今までは提供者(メディア運営者)が決めた広告枠の金額や掲載期間を、需要者(広告主)が購入するという意思決定の流れで広告売買が行われてきました。あくまで広告枠の金額や掲載する期間を決めるのはメディア側であり、広告主は、その広告枠が自社にとってどれほど有益かを評価して広告を購入するかどうか判断するしかありませんでした。

それらの広告枠の購入条件を、逆の立場である広告主(需要者側=Demand Side)が決定するシステムがDemand Side PlatformであるDSPです。

DSPの仕組み

広告主はDSPのシステム内で、届けたいターゲットを、いくらで、どのくらいの期間で購入するのか条件を指定することができます。

そして指定された買付け条件は、DSPと接続し多くのWebメディア広告枠を集約している提供者側(メディア運営者)のSSPというプラットフォームを通じ、条件にマッチしたユーザーがWebサイトに訪れた際に表示される仕組みになっています。

それではDSPはひとつあれば良いのではないか?多くのDSP事業者が存在するのは何故か?という疑問が生まれるかも知れません。

DSP事業者は、それぞれ独自のアルゴリズムを以てターゲットの価値を評価しています。
別々のDSPで同じ条件を指定しても、それでは全く同じユーザーが価値が高いと判断されるわけではありません。更に、Webサービスへの登録情報等を独自のデータとして評価アルゴリズムの材料にしている事業者もいます。

また、Webメディアの広告枠を束ねている提供者側のSSPをいうプラットフォームと蜜に連携できるかどうか、例えば指定したターゲットが現れた時に、どれほど早くそのリクエストに応えて広告を配信できるかといったシステムインフラ面の強弱も事業者により異なります。

なので、需要者側としては、ひとつのDSPに留まらず複数のDSPを利用してみることをおススメします。

DSPは今後、DMPと呼ばれるデータマネジメントの概念と密接になり、より進化した広告配信プラットフォームになっていくことが予想されます。

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